2025年4月22日、テスラ(TSLA)の2025年第1四半期(Q1)決算が発表されました。結果は売上減・大幅な利益減と、かなり厳しい内容。
- 売上高:193億ドル(前年同期比 -9%)
- 純利益:4.09億ドル(-71%)
- EPS(1株利益):0.27ドル(-67%、予想:0.41ドル)
- 営業利益率:2.1%(前年同期5.5%)
- 自動車売上:139.7億ドル(-20%)
- 車両納入台数:336,681台(-13%)
今期の減益には、複合的な要因が絡んでいますが、最大の要因はブランド価値の毀損でしょう。マスク氏が米政府のDOGE(政府効率化部門)で活動を強めたことが政治的色彩として受け止められ、一部の消費者がテスラ離れを起こした様相に。特に欧州や中国での影響が顕著です。
また、電気自動車の価格競争も激化しており、BYDやフォード、GMなど競合が次々と価格を引き下げる状況からテスラも価格調整を実施。その結果、平均販売価格が下落し、粗利率も前年同期の19.3%から13.2%に低下しました。価格を下げないと売れない、しかし下げると利益が出ないという、板挟みの状況です。
そのほか、Model Yの生産ライン改修による一時停止、中国工場の部品供給トラブル、ロジスティクス費用の増加などにより、今期の納車台数は前年比13%減。これらの課題が、Q2以降どこまで改善されるかが注目されます。
一方で、エネルギー部門は堅調です。売上高は前年同期比+67%の27.3億ドル。MegapackやPowerwallの需要が想定以上に好調だったようです。こちらはEVと比べて利益率が高く、将来の収益の柱としての期待が高まります。