2025年7月23日、Googleの親会社であるAlphabetが2025年第2四半期(4月〜6月)の決算を発表。売上高・純利益・EPS・営業利益率が市場予想を上回り、クラウド部門とAI関連の成長が鮮明になりました。
- 売上高:964億2,800万ドル(前年同期比 +14.0%)
- 純利益:281億9,600万ドル(前年同期比 +19.4%)
- EPS(希薄化後):2.31ドル(前年同期:1.89ドル)
- 営業利益:312億7,100万ドル(前年同期比 +14.0%)
- 営業利益率:32.4%(前年同期:32.0%)
セグメント別売上
セグメント | 2024 Q2 | 2025 Q2 | 前年同期比 |
---|---|---|---|
Google Search & other | 48,509 | 54,190 | +11.7% |
YouTube ads | 8,663 | 9,796 | +13.1% |
Google Network | 7,444 | 7,354 | −1.2% |
Google Advertising 計 | 64,616 | 71,340 | +10.4% |
Subscriptions, Platforms & Devices | 9,312 | 11,203 | +20.3% |
Google Services 小計 | 73,928 | 82,543 | +12.0% |
Google Cloud | 10,347 | 13,624 | +31.7% |
Other Bets | 365 | 373 | +2.2% |
合計(ヘッジ含む) | 84,742 | 96,428 | +14.0% |
セグメント別レビュー
1. Google Search & other
売上高は541.90億ドル(+11.7%)と引き続き二桁成長。AI OverviewsやAI Modeといった新機能が検索利用を促進し、ユーザー体験の向上が収益に直結しています。AI Overviewsは200以上の国・地域・40言語で20億人を超える月間利用者を獲得 。
2. YouTube ads
売上高は97.96億ドル(+13.1%)と堅調。Shortsの1再生当たり収益が従来のインストリーム広告と同等、また一部地域では上回る成果を示し、広告在庫の多角化が成長を牽引しています 。
3. Google Network
売上高は73.54億ドル(−1.2%)で微減。マクロ経済の広告需要変動やプライバシー規制対応コストが影響しています 。
4. Subscriptions, Platforms & Devices
売上高は112.03億ドル(+20.3%)と大幅増加。有料版YouTube、Google One、有料デバイス(Pixel/Nest)の販売が好調でした 。
5. Google Cloud
売上高は136.24億ドル(+31.7%)で四半期として過去最高を更新。コアGCP製品、AIインフラ、生成AIソリューションへの需要が引き続き拡大しています 。
6. Other Bets
売上高は3.73億ドル(+2.2%)とわずかに増加したものの、Waymoなどを含むOther Bets部門は引き続き赤字で、営業損失は12.46億ドルに拡大しました 。
AI投資の実態
- AIインフラ投資:TPUやAI最適化データセンターへの投資を継続し、全社のAI対応インフラを強化。2025年通年のCapEx計画85B$に組み込まれています 。
- CapEx(設備投資):第2四半期に224.46億ドルを投資し、前年同期比+70.2%の大幅増 。
- 研究開発費(R&D):138.08億ドル(前年同期比+16.5%)でAI関連技術の研究開発を加速 。
リスクメモ
- 独禁法・規制リスク:米司法省による訴訟やChrome分離要求など、構造的レメディの行方が広告収益モデルに影響。
- 欧州DMA/DSA対応コスト:プラットフォーム機能制限やユーザー選択画面の実装負担増大。
- 巨額CapEx回収リスク:投資回収に時間がかかることでROIC低下の懸念。
- マクロ経済と広告需要変動:金利上昇や景気後退が広告収入に与える影響。
まとめ
Q2決算では売上・利益ともに二桁成長を果たし、特にクラウド部門とAI搭載機能の好調が顕著でした。今後も引き続きデータセンター投資やAI研究に注力しつつ、規制リスクへの対応が鍵となりそうです。
Source:Alphabet Announces Second Quarter 2025 Results、Q2 earnings call: CEO’s remarks